ピースエッグ97
・命と未来は自分で守る
米海軍海上ヘリポート基地建設で市民投票運動をすすめる成田正雄さん
いま沖縄県名護市では、政府が進めようとしている米海軍海上ヘリポート基地建設への市民の意志を問う市民投票運動が推進されています。97ピースエッグ(青年平和学校)IN沖縄で全国の青年たちに熱っぽくその思いを語った、名護市瀬嵩(せだけ)の「海と風の宿」の成田正雄さんに話を聞きました。
・双子の娘の命を守る
成田さんは、政府が住民に断ることもなく建設のための事前調査を始めたことに怒りをぶつけます。
「腹が立ちますね。私たちに何の相談もなく米軍基地から船を出して建設の地ならしのための『調査』をするだなんて。やり方が姑息すぎますよ」
建設予定地に近い辺野古地区でつくる「命を守る会」の人たちは、辺野古漁港にテントを張って、事前調査に反対する監視行動を続けています。
成田さん一家は約4年前に神奈川県からこの地に移り住みました。
「今の社会は学校、会社、どこの管理組織に縛られ、追いまくられている。どこか気持ちを緩めてぼーっとしながら、“生きるとはなにか”について考えられるところが必要じゃないか。そんな思いでこの宿を作ったんです。」
静かな透明な海が広がるこの海岸は、そんな場所にぴったりです。
「ここに海上ヘリ基地が建設されたら、そんな環境は完全に破壊されます。建設される前から嘉陽地区にはヘリコプターが不時着している。私には双子の女の子がいますが、子供の命が奪われてることを、私は想像も出来ません。
建設をすすめようとしている人たちは、建設会社とか鉄鋼会社とか建設で潤う人たちです。その人たちの金儲けのためになぜ私たちが犠牲にならなければないのですか。それも戦争のための基地で環境を破壊し、そのお金は国民の税金でまかなうという。こんなこと絶対許せませんよ」
成田さんは語気が強まります。
・嫌なものは嫌だと
「市民投票の運動は、名護市民5万人の命と未来は自分たちで決めようという運動です。地域にはいまも“しがらみ”という『無形文化財』が残されています。
この運動を、人のいいなりに生きるのではなく、嫌なものは嫌と、自分の言いたいことが言える風土に変えるきっかけにしたいと、私は考えています」−。
ピースエッグで成田さんと交流した後、参加した青年たちは建設予定地の海岸でお弁当を食べ、海と戯れました。爆音はなく、柔らかな風が頬を伝い、波の打ち寄せる穏やかな音に自然と心がくつろぎます。そこに70機もの軍用ヘリコプターが飛び交う海上基地を作る−その異常さを青年たちはしみじみと胸に刻みました。
「あれは官僚やゼネコンが机の上で考えた計画ですよ。そこに住む人間のことや自然環境のことは何も考慮されていない」−成田さんの言葉に思わず合点しました。